日本は金融教育が送れているといわれています。
将来、子供にお金で苦労をさせたくないから、金融教育をしたい。
でも、何を教えたらいいのかわからない。
実は金融リテラシー・マップで年齢ごとに何を学んだらいいか示されています。
今回は、小学生高学年ではどんな教育をしたらいいのか、金融リテラシー・マップから読み解いてみます。
金融リテラシー・マップとは
金融庁、消費者庁、文部科学省、その他団体が「生活スキルとして最低限身に付けるべき金融リテラシー」をまとめました。
それを年齢層別に分けたのがマップ(金融リテラシー・マップ)です。
つまり、年齢層別に最低限身に付けるべき金融リテラシーが書かれています。
最低限、これくらいは学びましょうという内容です。
小学生・高学年で学ぶ分野
金融リテラシーマップでは8つの分野に分けて、それを年齢層ごとに学ぶ内容を定義しています。
小学生高学年ではすべての分類で学習があります。
- 分類1:家計管理
- 分類2:生活設計
- 分類3:金融取引の基本としての素養
- 分類4:金融分野共通
- 分類5:保険商品
- 分類6:ローン・クレジット
- 分類7:資産形成商品
- 分類8:外部の知見の適切な活用
小学生高学年になると、世の中の仕組みついて学習が始まります。
将来どうやっておお金を稼ぐのか、保険や金融についての内容が登場します。
大まかなお金の流れや、金融の仕組みを学び始めます。
社会人であれば、大体知っている内容ですが復習だと思って勉強してみるのもいいでしょう。
分類1:家計管理
家計管理について学ぶ分野です。
金融リテラシー・マップには次の様に書かれています。
・ものやお金には限りがあることを理解し、よりよい使い方を考える
金融リテラシー・マップ
・お金の使い方について見直しながら、自ら節度を守り節制に心掛ける
・暮らしを通じてお金の様々な働きを理解する
・必要性を考えて、計画を立て、それに沿って買い物ができる
・商品の選び方を知り、工夫して買い物ができる
・お金の使い方について自分なりの考え方をもち、意思決定する態度を身に付ける
自分でお金の使い方を考える年齢になってきました
ただ、特別な教育は必要ないでしょう。
限りあるお金の使い方を考えて、計画的に使う事を教えましょう。
子どもによく言い聞かせるようなことですね。
分類2:生活設計
この分野では、「ライフプランの明確化およびライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解」とされています。
金融リテラシー・マップには多くのことが書かれていますので引用は省略します。
主な内容は次の通りです。
・働くことの大切さを学ぶ
・将来に向けて貯蓄する習慣を身につける
働くことの大切さを学ぶ
・働いて金銭を得る苦労を学びます。
金銭を得るためには働く必要があることを学びます。
何かの労働の対価にお小遣いを渡すという事をやってみるとよいかもしれません。
少し気を付けたほうがよいのは、「金銭を得るためには働くという苦労は必要」なのですが、「苦労して働く必要はない」という事です。
効率よく成果を得られるのであれ楽をしてもかまいません。
もう一つ、自分の長所、短所を考えて将来就きたい仕事についても考えてみることも始めましょう。
いろんな経験・体験をさせてあげたいですね。
体験学習はちょっと難しいですが、買い物に行っていろんな仕事をしている人をがいるねって話をするだけでもいいかもしれません。
将来に向けて貯蓄する習慣を身に付ける
お金を使い方についての家計管理で学ぶことと同じです。
将来に向けて、お金を計画的に使う習慣を身に付けておきましょう。
分類3:金融取引の基本としての素養
まだ、金融取引に直接触れることはありません。
契約についての基礎を学ぶ段階です。
目的に合ったものの選び方、買い方を身に付けていきます。
子供が自分の意志で買い物をするときに、他の選択肢はないのかを助言してあげるとよいのではないでしょうか。
他には、消費生活センターがあることを教えてあげましょう。
分類4:金融分野共通
金融リテラシー・マップによると分類4は次のような内容になっています。
金融経済教育において基礎となる重要な事項(金利(単利、複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等)や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解
金融リテラシー・マップ
小学生高学年では主に銀行の仕組みについて学ぶことになります。
他にも、お金の流れ、モノの値段が変動すること、海外とのモノやお金のやり取りについても少し学びましょう。
銀行の役割
銀行の基本的な仕事である預金と貸し出しについて教えてあげましょう。
預金でお金を集めて、貸し出しをして利益を上げているという仕組みのことです。
銀行についてはもうひとつ、預金によって利子が付くことです。
ここでは単利の考え方だけでよいです。
銀行にお金を預けておけば利子がつくという話です。
物値段の変動
モノの値段が日々変わることを知りましょう。
食料品を買いに行くと、野菜の値段が変わっていることに気づきますよね。
その時、なぜ値段が変わるのか教えてあげましょう。
理由は大きく2つです。
需要と供給のバランスと、原材料費の値段です。
悪天候で野菜の収穫量が減ると値段が上がります。
世の中に出てくる量が減ると、高いお金を払ってでも欲しい人の奪い合いになり、値段が吊り上がっていきます。
加工品の場合は原材料費の影響もあります。
パンは小麦粉から作られています。
麦の値段が上がると、パンの値段も上がってしまいます。
海外とのモノやお金のやりとり
海外から物を購入する場合の仕組みについてです。
為替について少し学びます。
海外から物購入する場合も、お店で購入する場合と基本は同じです。
ただし、使っている通貨の違いがあります。
アメリカはドルで日本は円です。
使っているお金が違うので、円とドルの交換をしなくてはなりません。
ただ、100円と何ドルを交換したらいいのか?
そこには為替という「100円=何ドル」という交換レートがあります。
その交換レートでお金を交換して売買することを教えてあげましょう。
為替の変動(円安、円高)については中学生からでよいでしょう。
分類5:保険商品
保険の必要性と、どのような事象(災害、事故など)を保険でカバーするのかを学びます。
小学校高学年では、保険が必要にならないように「気を付けて生活しましょう」という事でよいです。
少しだけ、身の回りに保険そ意識させてあげましょう。
例えば、自転車で他人をケガさせたときの保障のために保険をかけているなどです。
もちろん、保険を掛けずに貯金で備える方法もあります。
2つの備え方があることを教えてあげましょう。
分類6:ローン・クレジット
ローンやクレジットカードの利用について学ぶ分野です。
小学生高学年ではまだ身近ではない分野です。
計画的にお金を使う事を教えてあげる。
小学生が巻き込まれやすいトラブルについて教えてあげる。
例えば、ネットゲームでの課金で多額の請求をされることです。
分類7:資産形成商品
金融リテラシー・マップによると小学生高学年では次のように書かれています。
金利計算(単利)などを通じて、主な預金商品とその利息の違いについて理解する
金融リテラシー・マップ
主な金融商品て何でしょうね。
株式や債券などは高校生で学ぶ内容です。
リスクとリターンについても小学生では学んでいません。
高学年では普通預金と定期預金で金利が違うという事を知っておけばよいのでしょうか。
小学生には、まだ難しい分野の様です。
分類8:外部の知見の適切な活用
小学生が巻き込まれやすいトラブルについて知ること。(分野6参照)
消費生活センターについて知っておく。
が、高学年での学ぶ内容となっています。
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