この本を読んだとき、あなたの心に何か刺さるものを感じるでしょうか。
あなたは不快に感じるでしょうか、心に刺さるものを感じるでしょうか。
おそらく、読者がこの物語の誰の立場に近いのかによって変わってくるでしょう。
社会・経済の仕組みを知るために子供から読みやすい内容になっています。
概要
ドラクエをかなり意識した世界が舞台になっています。
商人見習の主人公が疑問・問題を解決するために世界中を旅します。
その中で、経済や社会の仕組みを知っていきます。
また、主人公は’いわゆる’「勝ち組」の論理で物事を考えています。
「自己責任」「貧乏人は・・・」「努力」「馬鹿な(人」といった言葉を多用します。
一方、弱者を擁護する思想を持っている人物も登場し両者の衝突も面白いです。
私たちの現実世界に起きている(起きた過去の)ことをファンタジーの世界にはめ込んでいます。
この本を読んだときに、あなたは不快に感じるでしょうか、心に刺さるものを感じるでしょうか。
おそらく、読者がこの物語の誰の立場に近いのかによって変わってくるでしょう。
はじまり
主人公の疑問から始まります。
魔物と人が争う世界の勇者が誕生する町。
この町で、銅の剣よりももっと強い武器を売っていれば・・・王様から与えられていれば・・・
勇者は安全に旅をすることができるのに。
「なぜ銅の剣までしか売らないんだろう?」
商人見習の主人公が、商人の裏事情を解き明かそうとするところから物語が始まります
経済・バブルの仕組み
どのようにして、モノの値段が決まっていくのか。
どのようにしてバブル景気が発生するのか。
そしてバブル崩壊に向かう流れが描かれています。
強者と弱者
主人公は、自分の人生は自分で切り開くという強い意志を持っています。
世の中には勝ち組と負け組があって、自分で切り開くものと考えています。
勝ち組には勝ち組になる物事の考え方、負け組には負け組になってしまう思考があると言っています。
・自分がしたことの結果は自己責任
・貧乏人は、こんな思考だらか貧乏なんだ
・努力をしないから貧乏なんだ
といったことを言っています。
踊らされる人たち
一部の賢い人たちに先導され、踊らされている人たちを描いています。
現代では、デモ活動に参加している人、マスコミの情報をうのみにしている人を揶揄しているのでしょうか。
未来のお金の価値
金融教育のなかでは定番の様に出てくる考え方です。
今日もらえる100万円と1年後にもらえる100万円は同じ価値でしょうか?
今日100万円をもらえば、それを元手に1年後には105万円にすることは可能です。
で、あれば1年後にもらうなら105万円をもらわないと価値が釣り合わない。
という考え方です。
他にもいろいろ
他にもいろいろなことが書かれています。
キーワードだけ挙げてみます。
・世の中の豊かさは何かの犠牲の上に成り立っている
・好きな事だけでは生きていけない
・善悪は立場によって違う
最後に
かなり強い言葉がたくさん使われています。
この本を読んで不快に感じる人もいるでしょう。
おそらく、自分の立場が登場人物の誰に近いかで感じ方が違うでしょう。
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