最近話題になることが多いジョブ型人事です。
しばらく前に話題になった成果主義とは何が違うのでしょうか。
ちょっとわかりにくいので解説してみましょう。
どちらも成果を評価される
ジョブ型、成果主義どちらも仕事でも「成果」を評価されることになります。
しかし、求められる成果に違いがあります。
成果主義は、従来の年功序列人事の流れで成果が求められます。
(本来の成果主義ではありませんが。)
ジョブ型人事では仕事の範囲を限定して、その中で成果を求めます。
成果主義の評価
成果主義とはどのような制度だったのか解説します。
ただ、日本に企業で行われた成果主義は欧米とは少し違う事に注意してください。
日本の企業で行われた成果評価は、従来のキャリアアップを崩さないように行われていました。
違う言い方をすると、管理職になって上の役職に進んでいくことが成果の前提になっています。
ランクの低いキャリアでは技能特化した成果も評価されますが、上位ランクではマネージメントで成果出さない限り評価されない制度になっています。
成果主義の給与
おおむね成果主義が採用される前の給与制度がそのまま使われています。
これまでの人事制度、給与制度で昇級するハードルとして成果評価が採用されました。
基本的には成果主義採用前の役職をそのままに、昇級の要件として成果評価がされるようになりました。
年功序列で昇給した人はそのままに成果主義を取り入れたため、若い人の昇級が厳しくなるだけの制度になってしまいました。
失敗したといわれる理由です。
ジョブ型人事の評価
ジョブ型では仕事の内容を決めて、それを確実に実行することで評価されます。
管理職になることをキャリアゴールとしていません。
技術職として専門性を高めるなどのキャリアパスが用意されています。
ただし、異なるジョブで対等に評価されるとは限りません。
例えば技術系のジョブよりもマネージメント系のジョブの方が評価されることはあります。
会社が何を重視するか次第です。
しかし、技術系のジョブならマネージメントの能力を求められたり、それで評価されることはありません。
働きやすい環境と言えるでしょう。
今回、「ジョブ型雇用」という言い方をしていません。
従来の終身雇用を維持した人事制の話をしているためです。
ジョブ型人事の給与
ジョブ型人事の場合、選択するジョブとその中のレベルで給与が決まります。
年功序列給与の聖域を穴をあけることができます。
すべての人をジョブとレベルに割り当てなおします。
実施する役割のレベルが下がれば給与は下がることになります。
例えばプロジェクトマネージャーをしていたが、次のプロジェクトではチームリーダを担務した場合、給与は下がります。
本人のやる気や能力とは関係なく、ポストがなければレベルが下で低い給与で仕事をしなければなりません。
また、管理職系のジョブより技術職系のジョブの方が給与水準は低いということはあります。
ジョブ型人事は成功するのか?
ジョブ型人事が成功するのか?
いくつかの懸念点があります。
・ジョブを選択できるのか
技術職に進みたいと望んだ場合に、そのジョブに鞍替えができるのかです。
結局、会社からはマネージメント能力を求められ望んだ仕事ができない可能性はあります。
会社が技術職のようなジョブを評価する気があるのか次第です。
・レベルを下げることができるのか
一度上がったレベルを下げることができるのか。
前回はマネージャーレベルだったが、今回はリーダーレベルになったときに、リーダーレベルの給与に割り当てできなければ年功序列が残ったままと言えます。
また、本人が望んだときに受け入れられるのか。
会社から見れば、仕事に対して適切な報酬を払うための制度です。
労働者から見れば、希望した仕事をして評価してもらうための制度です。
この2つの理念が守られるかが成功のカギと言えるでしょう。
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